IP-PBXとは?仕組みやメリットを解説!
IP電話をご利用のオフィスは多いのではないでしょうか?
IP電話とは、「Internet Protocol(インターネット・プロトコル)」の略称。
IPサービスはインターネットのプロバイダー事業者によって提供され、固定電話・携帯電話でも利用できる電話サービスです。
そこで、「IP-PBX」という電話システムはご存知でしょうか?
IP電話を利用する際、内線通話や外線通話を中継する役割を果たす機器であり通常のPBXのIP電話版になります。
ということで今回は、IP-PBXの仕組みや利用するメリットなど詳しく解説いたします。
▶︎目次
1.IP-PBXとは?仕組みを解説
まず、PBXとは何か理解しているでしょか?
簡単には小型の「電話交換機」のこと。
オフィス内に設置され、内線電話の制御、外線電話の公衆回線への接続などの役割を果たす電話システムです。
また、PBXにはインターネット上にPBXを展開して、インターネット経由で利用する「クラウドPBX」という電話システムもあります。
詳しくは当サイトの『PBXとは?ビジネスフォンとの違いを解説!』で説明しているので、是非ご覧ください。
IP-PBXとは?
そこで、IP-PBXとは何なのか?
先程の説明した通り、IP電話の内線通話や外線通話を中継する役割を果たす機器。
通常のPBX(電話交換機)のIP電話版。
接続は、通常のビジネスフォン・PBXでは電話線を利用しますが、IP-PBXではLANケーブル(TCP/IPネットワーク)を利用します。イメージ的には以下の通り。
(出典:BIZTEL)
オフィス内のネットワーク上にIP電話を接続し、内線電話網とネットワークを統合することで、配線や設定などの費用が削減できる効果があります。
また、IP-PBXを本店などの拠点1ヶ所に導入するだけで、その他の拠点間の内線化が実現し、通信コストの削減にも一役買ってくれます。
支店・支社など遠隔地に拠点がある場合、一般的なビジネスフォン・PBXは拠点ごとに機器の設置が必要。
一方のIP-PBXは、1拠点のサーバを中心に、全国にある支社・事業所などの拠点も1つのネットワークに組み込むことができるのです。
ただし、IP-PBXは従来のビジネスフォン・PBXと同じような設置工事と利用するための初期費用は必要になります。
IP-PBXは2種類
以上のように便利なIP-PBXは、
- ハードウェア型
- ソフトウェア型
と、大きく2つのタイプに分けられます。
◇ハードウェア型
ハードウェア型は、従来からある電話交換用の専用機器を設置して利用するタイプ。
通常のPBXと比べると機器が小型で、電話交換機能の他にスイッチやルータ機能が搭載された機器も多くなっています。
基本的に機器はオフィス内に設置するため、セキュリティ面に優れ、安定した稼働が実現。また、専用の電話機として製品化されてものもあり、小規模~中規模オフィス向けに比較的低価格で提供されています。
ソフトウェア型
ソフトウェア型は、市販のソフトウェアを購入して、オフィスの既存サーバにインストールして利用するタイプ。ハードウェアと違い市販のソフトを購入するだけなので、低コストで電話システムの構築ができます。
拡張性に優れ、事業拡大に伴う増設もライセンスを購入するだけで追加でき、ソフトをアップデートしていれば常に最新バージョンのシステムが利用可能。
また、ソフトウェアをあらかじめサーバにインストールして提供している事業者もあり、利用すればサーバの用意やインストール作業が必要なくなるので短期間で電話システムが構築できます。
2.IP-PBXを利用するメリット
前項ではIP-PBXの仕組みなどご紹介しましたが、利用することでどんなメリットが得られるのか?
大きく3つのメリットが挙げられます。
メリット➀ 導入費用の削減(配線工事の軽減)
前項でもご紹介した通り、IP-PBXはインターネット回線を利用するので、社内LANに接続すれば電話システムが構築できます。そのため、電話線の配線工事が不要。
また、拠点間通話も、通常のビジネスフォン・PBXは各拠点に主装置の設置が必要になります。
一方のIP-PBXは、1つの拠点にシステムを構築すればIPネットワークで各拠点と繋げるので、主装置の購入・設置、配線工事などの工事費が一切かからなくなるのです。
メリット➁ 通信コストの削減
➀と内容は被りますが、拠点間の通話がすべて内線通話で対応できるので、通信コストの大幅な削減が期待できます。
また、クラウド型のIP-PBXサービスを利用すればスマートフォンの内線化も実現できます。
メリット➂ 管理・運用が簡単
通常のビジネスフォン・PBXは、主装置に接続する電話機に内線番号が割り振られ、移動する場合その都度内線番号の変更が必要。
一方のIP-PBXは、パソコンのブラウザ上で管理できるので、従来のビジネスフォン・PBXに比べて管理・運用が容易に行えます。
IP-PBXでは、接続する電話機ごとにIPアドレスが割り当てられ、オフィスのどこからでも同じ内線番号で利用可能。もちろん、内線番号を変える必要がないので、オフィスのレイアウト変更でもLANケーブルの差し替えだけで対応できます。
3.まとめ
IP電話は聞き慣れたものになりましたが、その内線・外線通話を中継する役割を果たすのが「IP-PBX」。インターネット回線を利用するため、社内LANに組み込むだけで電話システムが構築できます。
特に全国各地に拠点を構えている企業でIP-PBXを利用すれば、大幅な通信コストの削減が期待できます。
IP-PBXには、ハードウェアとソフトウェアの2つのタイプがあり、ソフトウェア型はソフトをサーバにインストールするだけなので、導入費用の削減にも繋がります。