クラウドPBXとは?仕組みやメリットを解説!
電話システムには「ビジネスフォン」の他に「PBX」という電話システムがあります。
さらに、PBXにも仕組みの違いから、通常のPBXの他に、
・IP-PBX
・クラウドPBX
と、2つのタイプのPBXが利用されています。
今回は「クラウドPBX」をご紹介しますが、そもそも「クラウドって何?」という方もおられるのでは?
IT業界でのクラウドは「クラウドコンピューター」を指し、英語では「cloud(クラウド)」、日本語では「雲」。では、クラウドPBXとは何なのか?となりますよね。
ということで、ここからはクラウドPBXとはどんな仕組みで、利用するメリットはあるのかなど分かりやすくご説明いたします。
▶︎目次
1.クラウドPBXとは?仕組みを簡単解説
クラウドPBXの説明の前に、「PBX」とは何なのかご存知ですか?
PBXは「小型の電話交換機」のこと。企業などの建物内に設置し、主に内線電話・外線電話を管理・制御する役割を果たします。
一般的なオフィスでは「ビジネスフォン」が利用されますが、PBXとの大きな違いは接続できる電話機の数。
- ビジネスフォン:~300台 小規模~中規模オフィス向け
- PBX:300台以上 中規模~大規模のオフィス向け
というように、利用する電話機の数によって利用される環境が異なり、PBXは複数の拠点間で内線通話が可能になります。
詳しくは、当サイトの『PBXとは?ビジネスフォンとの違いを解説!』でご紹介しているので興味がある方は是非ご覧ください。
クラウドPBXとは?
では、クラウドPBXとは何なのか?
クラウドは先程も説明した通り、「クラウドコンピューター」のこと。
クラウドという言葉は近年よく聞かれるようになり、身近なサービスではDropboxやGoogle Driveなどのクラウドストレージ、さらにGmailやYahooメールといったWebメールもクラウドサービスになります。
そこで、クラウドPBXとは、通常オフィス内に設置される「PBX」をインターネット上に展開し、ユーザーはインターネット経由でPBXにアクセスして通話や通信ができる電話システム。イメージ的には以下の通り。
(出典:BIZTEL)
もちろんクラウドPBXも電話システムなので、通常のビジネスフォンやPBXと同様に、内線・外線/保留・転送/代表組/留守番電話などの基本的な機能はすべて利用可能。
また、利用できる電話機は、一般的なビジネスフォンと違い様々なタイプの電話機が利用できます。
クラウドPBXで利用できる電話機の種類
クラウドPBXはインターネット経由で電話を利用するため、様々なタイプの電話機と接続可能。
◇SIPフォン
SIPフォンは、インターネット経由で通話ができる専用の電話機。一般的に「IP電話」といえば分かりやすいでしょう。
通常の電話線を利用せず、LANケーブルを接続して利用します。
◇スマートフォン
誰もが利用するスマホも、クラウドPBXでは利用可能。
クラウド型ビジネスフォンサービスを利用することで、子機として利用できるようになります。
◇ソフトフォン
ソフトフォンとは、パソコンに専用のソフトをインストールすることで、インターネット経由で通話ができる新しい電話サービス。
つまり、クラウドPBXにソフトフォンを利用すれば、インターネット経由ですべて電話システムが構築できるので電話機が不要になります。
ソフトフォンに興味がある方は、『ソフトフォンって何?』で詳しく紹介されているので、そちらをご覧ください。
以上、主な電話機の種類をご紹介しましたが、その他にも従来のビジネスフォン・PBXや電話会議システムなども接続できます。
2.クラウドPBXを利用するメリット
ここまでクラウドPBXの仕組みなどご説明しましたが、利用することでどんなメリットがあるのか?
クラウドPBXを導入するメリットは以下の3つに集約されます。
メリット➀ 導入費用の削減!
従来のビジネスフォンやPBXの導入では、電話機と主装置の購入、さらに電話工事が必要になり、台数によっては莫大な費用がかかります。
また、電話回線を持っていない場合はNTTの電話回線加入権の購入で5万円前後必要。
一方、クラウドPBXの初期費用はクラウドPBXサービスの申し込みに必要な費用のみ。
サービス提供会社で異なりますが、初期費用は1万円~5万円程度が相場です。
また、前項でもご紹介した通り、インターネット経由でのサービス利用になるので電話工事が不要。
あわせて、既存のビジネスフォン・PBXやスマートフォン、ソフトフォンを利用すれば、電話機の購入も必要なくなります。
メリット➁ どこからでも内線通話が可能!
クラウドPBXはインターネット経由でPBXにアクセスして通話ができます。
つまり、インターネットが利用できる環境ならどこからでも通話ができるということ。
例えば、外出中でもインターネットの電波が届く場所なら、スマホから会社に内線電話ができるようになります。
基本的に内線通話は無料なので、通信コストの削減にも大きく貢献してくれるのです。
メリット➂ 拡張性が高い!
社員の増員で電話機を増設したいとき、従来のビジネスフォン・PBXは、その都度業者に工事を依頼しなければなれません。また、オフィスの移転やレイアウト変更もその都度工事が必要。
一方のクラウドPBXは、すべてのシステムがインターネット上に展開されているので、増設や移転などでも工事は不要。サービス会社に連絡を入れれば対応してもらえます。
また、起業で事務所を開設するときも、従来は主装置の性能によって設置できる電話機の数が限定されますが、クラウドPBXはインターネットが利用できる環境なら追加・削減が容易に行えるのです。
以上、クラウドPBXはインターネットを利用するため、基本的に電話工事が一切必要ないので、導入しやすく拡張性も優れているのです。
クラウドPBXのデメリット
ここまでクラウドPBXのメリットをご覧いただきましたが、デメリット面も多少あります。
それは、それほど大きな問題ではないものの、インターネットを利用する電話サービスなので、停電すると使えなくなってしまうこと。
また、インターネット環境によって通話が不安定になるケースがあり、サービス会社によって異なりますが、110や119など緊急電話番号にかけられないといった問題もあります。
メリットの多いクラウドPBXですが、一部このような不具合が発生するケースがあるので、ある程度認識しておきましょう。
3.クラウドPBXのサービス提供会社紹介
最後に、実際にクラウドPBXサービスを提供している会社を4社ご紹介いたします。
ひかりクラウドPBX
「ひかりクラウドPBX」は、天下のNTT東日本・NTT西日本が提供するクラウドPBXサービス。各拠点でひかり回線を利用していれば、ひかりクラウドPBXの導入によって、拠点間はすべて内線通話が可能に。
また、専用アプリをインストールすれば、スマホが内線子機として利用可能。外出先でも会社への電話はすべて内線通話で対応できるので、通信コストの削減にも繋がります。
初期費用:15,000円~
月額料金:10,000円/1ユーザー
MOT/TEL(モッテル)
MOT/TELは、スマートフォンやパソコンにソフトフォン専用のアプリをインストールすることで、従来のビジネスフォン・PBXと同じような、内線・外線、保留・転送、代表組などの機能が外出先でも利用できます。
一番の特徴は、小規模オフィスでも導入しやすい、設備投資0円で利用が開始できること。
現在利用している電話番号を変えることなくそのまま継続して使え、外出先からスマホで電話するときも、会社の番号03など各市外局番や050、フリーダイヤル0120、0800などで発信できます。
初期費用:0円~
月額料金:要見積
BIZTEL(ビズテル)コールセンター
インターネットを介してパソコンのみで利用できるクラウド型コールセンターシステム(CTI)。
オプションやカスタマイズの組み合わせで、ニーズに合わせたコールセンターが構築可能。小規模〜大規模まで幅広い規模のオフィスに対応し、1,000社を越える導入実績を誇っています。
導入が早いのも特徴で、申込みから最短5営業日で利用できるため、早急に利用を開始したときは最適。また、1席単位で増設が可能なので、将来的なオフィスを拡張にも柔軟に対応できます。
初期費用:50,000円~
月額料金:15,000円~
GoodLine(グッドライン)
GoodLineは、専用アプリをスマホにインストールする形のサービスです。
クラウド上に電話帳や通話メモが残されるので、対応履歴などの情報が共有可能。外出先でもスマホを利用してリアルタイムに確認できます。
また、通話履歴や通話録音はいつでもモニタリングでき、通話状況を自動的に分析することで、会社全体の電話の「見える化」が実現できます。
さらに、通常のビジネスフォン・PBXのような保留転送やパーク保留、ブラインド転送などの機能が利用できるので、外出中の社員のスマホは勿論、海外でも内線通話が可能になります。
初期費用:10,000円~
月額料金:1,000円~30,000円
4.まとめ
様々な分野で「クラウド」といえ言葉が聞かれるようになり、オフィスの電話システムでも「クラウドPBX」が注目されています。
クラウドPBXは、「PBX」をインターネット上に展開し、インターネット経由でPBXにアクセスして通話や通信ができる電話システム。
従来のビジネスフォン・PBXのような電話機や主装置の購入、電話工事が不要。さらに、インターネット環境が整っている場所ならどこからでも内線通話が可能に。
スマホが内線子機として利用できるので、通信コストの削減にも大きく貢献してくれるのです。
いかがでしたでしょうか?クラウドPBXの導入のメリットを簡単ではありますがご紹介させていただきました。
導入のメリットに関してもっと深く知りたい方はこちらをご覧になってみてください。
クラウドPBXナビというだけあり、より詳細な情報が手に入るかと思います。
クラウドPBXの導入を検討されている方、気になっている方に是非訪れて欲しいサイトです。